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風邪になったら抗生剤は間違い?抗生剤の違いを解説します!

抗生剤と言えば、
「少し風邪っぽい、喉や鼻に違和感がある。」こんな時に頼りにしている方も多いと思いますが、種類によって効果のある細菌や副作用、飲み合わせに違いがあることはご存知ですか?

年の瀬で寒さも忙しさも増して体調を崩しやすいこの時期ですので、今回は抗生剤の種類ごとの効果、副作用、飲み合わせなどの違いについて解説していきます!


〇そもそも抗生剤とは?
抗生剤とは細菌や真菌の増殖を抑制するor細菌を殺す効果をもつ薬のことを指します。 上記の作用をもつ薬のうち、もともと抗生剤(抗生物質)は生き物である細菌や真菌から作られるもの、抗菌剤は合成で作られたものを指すようですが、一般的に総称として抗生剤(抗生物質)の名前が使われていますので以下抗生剤と表記します。


〇一般的な細菌感染症と適応の抗菌剤
・細菌性肺炎:一般的に市中細菌による肺炎
 ペニシリン系(第一選択薬)
・非定型肺炎:マイコプラズマ肺炎、クラミジア肺炎など
 マクロライド系(第一選択薬) テトラサイクリン系(同じく第一選択薬)
・急性咽頭炎・扁桃腺炎:大部分がウイルス性、細菌性の場合はA 群 β 溶血性連鎖球菌によるものが多い
 ペニシリン系(第一選択薬) 第一世代セフェム系(軽度ペニシリンアレルギーあり)  リンコマイシン系(重度ペニシリンアレルギーあり)
・細菌性の急性副鼻腔炎:大部分がウイルス性
 ペニシリン系(第一選択薬) ニューキノロン系(βラクタム系にアレルギーあり)
・歯性感染症:虫歯や歯槽膿漏、親知らずの腫れを放置し炎症が周りに広がった状態
 セフェム系(第一選択薬) マクロライド系(歯周組織炎の第一選択薬)


〇主な抗生剤の種類ごとの特徴
・βラクタム系
 前述のペニシリン系、セフェム系は作用機序の分類ではβラクタム系に含まれます。

 作用機序:細菌の細胞壁合成を阻害する
 副作用:
 ペニシリン系 過敏症、血液障害、腎障害
 セフェム系  過敏症、腎障害
・マクロライド系 リンコマイシン系
 作用機序:細菌細胞内のリボソーム(50S)の働きを妨げ、細菌のタンパク質合成を阻害する
 副作用:過敏症、腎障害、肝障害、QT延長、心室頻脈
・ニューキノロン系
 作用機序:細菌のDNA複製を妨げ、細菌の細胞分裂を阻害する
 副作用:腎障害、肝障害、光線過敏症
・テトラサイクリン系
 作用機序:細菌細胞内のリボソーム(30S)の働きを妨げ、細菌のタンパク質合成を阻害する
 副作用:過敏症、偽膜性大腸炎、肝障害、消火器書状、光線過敏症


〇牛乳と飲むと吸収が低下する抗生剤
 セフェム系、ニューキノロン系、テトラサイクリン系 ※牛乳以外にもカルシウム、マグネシウムを含む飲み物は注意


〇抗生剤の飲む際の注意点
「抗生剤は症状がなくなっても飲み切ってください」と言われたことはありませんか? 抗生剤を途中でやめることで耐性菌が出現することがあるため、その防止のためにも抗生剤は飲み切ることが推奨されています。
同じ種類の細菌の中にも抗生剤に弱い菌と強い菌があり、抗生剤を飲むと弱い菌→強い菌の順で抑えられます。症状が軽減してもまだ細菌が残っていることが多いため、症状がなくなったからと抗生剤の服用をやめると、生き残った強い菌だけが増殖し「耐性菌」として症状をぶり返させたり、耐性菌に抵抗のないお年寄りや体の弱った方に移してしまう危険性があります。


〇飲み忘れたら?
飲み忘れた場合は気付いた時に飲むか、次の服用タイミングが近い場合はその時に飲むことが推奨されています。ただし、腹痛など副作用があるときにはこの限りではないので、お近くにお越しの際は医療機関を受診するようししてください。