NMNは、NAD+が合成される前段階の物質であり、生体内でNAD+を合成する上で重要な物質と考えられています。NAD+は老化に伴い減少するため、減少を抑えることによるアンチエイジング効果が期待されています。NMNの経口摂取は間接的にNAD+を増加させ、様々な組織で老化に伴う症状が改善するという研究結果が多数報告されています。
NAD+
NAD+とは
NAD+は補酵素(酵素反応に必要な物質)の一つで、体内の酸化還元反応において中心的な役割を担うものとして古くから知られています。しかし近年、NAD+が老化と共に各主要臓器や組織で低下していることが分かり、そこから発展して、ヒトにおいてNAD+濃度が細胞や臓器、組織で増加すると抗老化作用・寿命延長が期待できるという研究結果が報告されています。
NAD+の作用
NAD+はヒトの全身の細胞でミトコンドリアでのエネルギー産生反応に必要な酸化還元反の補酵素として働き、ミトコンドリアの活性化作用を持ちます。 ミトコンドリアは細胞内小器官であり、主な機能としてエネルギー産生が知られていますが他にも免疫反応など様々な重要な働きへの関与が期待されています。NAD+はまた、長寿遺伝子として研究が盛んなサーチュインという遺伝子群から発現する(遺伝子から翻訳されタンパク質になる)酵素SIRTを活性化することが明らかになっています。
サーチュイン
サーチュインとは
サーチュイン遺伝子が老化と寿命の制御に極めて重要な役割を果たしていることが2000年に発表され、現在サーチュインと老化に関する研究が盛んに行われています。サーチュイン遺伝子から発現するSIRTは7種類あり、そのうちSIRT1はNAD+依存性タンパク質脱アセチル化酵素で、NAD+がSIRT1の活性化に必須だと発見されました。
サーチュインの作用
SIRT1はNAD+を消費して遺伝子発現の制御やタンパク質の活性化を行いますが、抗老化の分野だとサーチュイン(SIRT1含む)が脳の視床下部で活性化し、老化・寿命を制御していることがわかっています。また脂肪組織から分泌されるNAD+合成系の酵素が、NAD+量の増加を介して床下部でのサーチュインの機能を活性化することもわかっています。(例:飢餓状態で視床下部NAD+量が低下すると脂肪組織から酵素分泌が行われるなど)
NAD+合成系
哺乳類におけるNAD+合成の主要材料はNAMであり、そこから2段階の酵素反応を経てNAD+が合成されます。まず第一のNAMPTがNAMをNMNに変換し、続いてNMNは第二の酵素によってNAD+へと合成されます。
NAMはビタミンB3の一種で、NAMPTは前述の脂肪組織から分泌される酵素のことです。
NMN
なぜNMNの経口投与なのか
NMN経口摂取は細胞、組織内でNAD+量を増やしミトコンドリアやサーチュインの活性化しなど様々な作用を介して細胞を若い状態に保つことです。ではなぜNAD+を直接摂取しないのかと疑問に思われますが、これはNAD+が経口投与してもほとんどが消化器官で分解されてしまうことに起因します。また血管内投与でも意図しない反応で消費されてしまいます。
そのためNAD+を増やす方法としてNAD+合成の中間物質の摂取が検討されました。NAD+合成系における律速反応はNAM→NMNであるためNMNを増加させると効率的にNAD+を増加させることが出来ます。また研究から、NMNが経口投与後すみやかに消化器官で吸収され血液中に至り、主要な代謝組織ですぐにNAD +に変換されることがわかっています。さらにヒトへの長期投与での安全性も確認されているため、NMNの経口摂取が普及しつつあります。
NMN経口投与と期待される効果
NMNの他にもレスベラトロールなどがサーチュインに関連する物質として知られていますが、NMNが注目されている点として7種類全てのサーチュインに関連している点です。そのためNMNは視床下部の活動維、良質な睡眠、疲労回復、ストレス抵抗性など様々な効果により、罹患リスクを抑え健康寿命を延ばす効果が期待されています。
研究結果より有効性が期待される疾患
- 認知機能の低下・視力低下
- 自己免疫疾患
- 脂肪肝
- 難聴
- 心血管疾患
- 糖尿病
- 腎疾患など
NMNは現在アンチエイジングの分野で最も注目されている物質の一つと言えます。人類の夢とも言える不老の夢を叶えてくれるかもしれない、今後のさらなる発見が期待されます。
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