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毒シリーズ第5弾!生物界最強の毒!

毒シリーズも第5弾。
本日は生物が持つ毒の中から、最強の毒をご紹介。
海の中に咲く花ような美しい姿からは想像もつかないほど、強力な毒を持ちます。

毒を持つ生き物としてパッと思い浮かぶのは、
毒シリーズ第3弾で取り上げたフグやヘビ、サソリなどかと思います。

しかし、様々な毒を持つ生き物の中で、
「最強の毒」をもつと言われている生物は・・・なんと、「イソギンチャク」です。


イソギンチャクは岩礁に張り付いていることが多く、
色とりどりの姿をしており海の中に咲く花のようです。
「刺胞動物門花虫綱六放サンゴ亜綱イソギンチャク目」(長い・・・)
に属する生き物の総称で、無脊椎動物に分類されます。

形状としては円筒形の胴体を持ち、上部にある花弁の
ような頭部を「口盤」といい、また足元は「足盤」を呼ばれ、
岩に吸着するほか、動かして移動することもできます。

口盤の中央には口があり、その周囲には多数の触手を持ちます。
この触手に毒を持ち、エサとなる小動物(小魚や甲殻類など)を痺れさせ、
丸飲みにします。


ほとんどのイソギンチャクが毒を持ちますが、
多くは人間に影響を与えるほどではありません。
(とはいえ、むやみに触れないようにしましょう!)

ですが、ハワイに生物界最強の毒をもつと言われるイソギンチャクが生息しています。
それが「マウイイワスナギンチャク」です。


ハワイのマウイ島に生息し、体長は3.5cm程度で、
サンゴ礁の浅海に群生しています。

群生化しやすい特徴を持ち、ダイビングやシュノーケリング
でも見かけることも多いようです。
触手などを引っ込めてしまうと、固い岩のように見えることから、
気づかずに触れていしまうこともあるのだとか。


マウイイワスナギンチャクの毒の正体は「パリトキシン」と言います。
非ペプチド系の毒素で、強さの指標となるLD50では、
フグ毒であるテトロドトキシンの50~60倍程度と言われています。

作用としてはテトロドトキシンとは反対に、
ナトリウムの流入を促進することで細胞機能を障害し、
心機能の抑制や骨格筋の壊死につながります。


潜伏期間は3~36時間程度で、症状としては初期は
風邪のような症状や、筋肉痛です。

筋肉痛は主症状である横紋筋融解症状で、筋肉が溶けてしまうような状態です。
症状が進行すると、麻痺や痺れ、尿が黒くなる、
腎機能障害、不整脈、呼吸困難などがあらわれます。
ヒトの冠動脈に対し強力な収縮作用を持ち、死因はこちらによるものです。

この毒の解毒薬はなく、また加熱などによっても消失しません。

触れたり足で踏んだりした場合に毒を注入されてしまうのですが、
恐ろしいことに群生の上を泳いでいたダイバーに筋肉痛や倦怠感
といった症状が出たり、知らずに観賞用に購入した家庭で、
毒が水槽内からポンプを伝わり、毒ガスとなって
吸い込んでしまったりしたケースもあるとのことです。


日本にはマウイイワスナギンチャクは存在しませんが、
仲間のイワスナギンチャクがいます。
食物連鎖により「アオブダイ」という魚がパリトキシン
を蓄えるため、誤って食べてしまい残念ながら
命を落としてしまったケースもあります。